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神 月

Author:神 月
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ROでもweb連載小説できるじゃんと唐突に開始。
一先ず以前執筆したものを使い回して様子見( `・ω・´)b

※今後の展開に話が合うよう、以前執筆したものに微調整を加えてます。
※この作品はフィクションです。

 
 

 
Chapter1 来訪

アイスコーヒーの注がれたグラスを口に運びながら、視線は文字の羅列を追う。
[神の見えざる手]。有名な賢者の書いた、需要と供給における市場経済の書物。
それなりに有名な一冊だ。

来店客を待ちながら時間を潰す、静かなひと時。
経済書を読む時もあれば、他愛の無い娯楽書を読むこともある。

偉人伝や歴史書も嫌いではない。
何か一冊の本さえあれば、時間の流れは苦ではなかった。

プロンテラに店を構えて、1年半ほどが経過していた頃。
あの頃はまだ【神羅堂】の名は無く、ただ冒険者が持ち込む武具、
道具を安く買い、多少上乗せをして売っていく、そんな日々を過ごしていた。

そんな、書物に読み浮けったまま来店客を待っていた、ある日の午後……

彼は、来た……。

チャリ~ン……。

「こんにちわ(^ ^ 」
「買い取ってもらいたい物が、いろいろあるのですが……」
一人の騎士が、扉を叩いた。

どんな容姿をしていたのか……どんな名であったのかは……いまはもう、
思い出せない。

持ち込まれたのは、どれも相当使い込まれていることが窺い知れる、業物の武具。
そしてそれを、私の言い値で、どんな値でも良いから売ると言う。

微妙品ならいざ知らず、流石にそれら業物を安値で買い取る気にはなれなかった。
買取資金が底に付くのを承知で、いつも通り相場の約8割を提示する。
持ち込んできた騎士は、快く承諾してくれた。

聞けば、剣を置き、戦場を去るのだという。

どんな容姿をしていたのか……どんな名であったのかは……いまはもう、
思い出せない。

ただ、言葉には表現できぬ、何やら不思議な、
奇妙な感情が芽生えていたことだけは、いまでもよく覚えている。

この地に降り立って一年と半……。
彼が私にとって、最初の【去る者】となった。


Chapter2 邂逅

店頭に並べられた品を満足気に見つめながら、
アイスコーヒーの注がれたグラスを口に運ぶ。

ブラックにミルクを注いだだけの簡単なもの。
天津を出奔して以来のお気に入りだ。カフェラテと呼ぶのを、最近知った。

コーヒーとミルクの比率、そして温度を変えるだけで、
味はまったくの別物となる。

今回のカフェラテの出来は非常によく、その日の自分はいつになく上機嫌で
店頭に並んでいる商品を眺めていた。

並んでいるのは、あの日去っていった騎士の遺品。


そしてその日、店頭に掲げられていた看板は、いつもと違っていた。


自分は本来、看板には品物のタイトルしか並べなかった。
ときおり【特価】など、人目に付く趣向を凝らしていた程度に過ぎない。

ただあの日、あの時に限り、看板に掲げられた文字は、いつもと違っていた。
この世界を去った騎士に対しての、自分なりの手向けだったのかもしれない。


『騎士たちへ 戦場を去る者より』


そして、その日限りの偶然が、更なる偶然と重なった。

誰かが言った。「二つ以上重なった【偶然】は、それは最早【必然】である」と……。
なら、その出逢いも……その先にあった事すらも、すべては必然であったのだろうか?

チャリ~ン
「いらっしゃ…」

「こんちゃぁぁ!!」
「おめっとさ~ん!!」


やたらとテンションの高い女の子が二人、入店してきた。

二人ともマーチャントの姿をし、片方は装飾用卵殻、
片方は装飾用花を頭につけている。

「みゅー、あなたの看板が『あなたの露店が一等賞』
コンテストにノミネートされましたぁぁ」
「ぷくくぅ、お兄さん、なかなかニクイ看板出すねぇ」

彼女たちとの出逢いが、二度目の『別れ』を経験させることを……
あの時の私は、まだ、知らない……。



Chapter3 空虚

巻き起こる砂塵が、私の視界を遮った。
砂漠ほど酷くは無いが、それでもここは、ちょっとした風で大量の砂が巻き起こる。

モロク、ピラミッド前。
代々王家の慰霊を祭っていながら、今や魔物の巣窟と成り果てた遺跡である。

ここまで運んできたカートを置き、私は一息ついた。

珍しく重量MAXまで積んでいる。中に入っている品も、
最近は殆ど仕入れていなかった品物ばかりだ。
赤ポ白ポ、各種羽にSP系。いわゆる、消耗品と呼ばれている品々。

駆け出しのころ、良くこれらを売った。無論、出る利益は微々たる物だ。
それを何度も繰り返し、塵を積もらせて山としていく。

それなりに大きな額のお金が手に入ってからは、
これら利率の悪い消耗品を売ることは滅多に無くなった。

そして、例の露店コンテストで優勝してからは、一切売らなくなった。

【神羅堂】の看板を掲げる様になったのも、この頃からだ。
知名度が上がり、M級の商品を当たり前の様に扱い、
大きな利益を得るようになっていた。

『あなたの露店が一等賞』コンテスト。

初参加した第四回こそ敗退したものの、
後に行われた第五回にて優勝し、僭越にも五代目を拝命した。

コンテストを主催していた二人のマーチャント。
『そうせき堂』の名で活動していた二人は、
物を売る新たな楽しみ方、可能性を教えてくれた。

そして第六回の開催を心待ちにしていたある日……
彼女たちは、この世界を去った。

この世界で成すべき事を成し、新たな世界へ可能性を求めて旅立っていった。

私はピラミッド前で、消耗品を店頭に並べていく。
初心者から熟練の冒険者まで、ここを訪れる人の幅は広い。

そうせき堂の、頭に装飾用花をつけていた娘も、ここでよく消耗品を売っていた。
自分もよく、ピラミッドに挑む前に、ここで買った……。



無論、いまはもう──────いない。



一通り消耗品を並べ終え、私は掲げる看板に向かい合った。
なんと書くかは、もう決めていた。


『覚えてますか?ここに座ってた女の子』

20070602012838.jpg

ああ、まただ……。
あの、去っていった騎士の時と、同じ感情が胸に溢れた。

何かはっきりとしない、うまく言葉に出来ない、なにかやり切れない感情……。
そしてその日から半年後。私はその感情の……その意味を──────

明確に知ることになる。



唐突にもたらされた、三度目の『別離』とともに……。





Chapter4 別離

風が木々を揺らす。草原にも、波のように風が駆け抜けていった。
小鳥たちの囀りと風の音以外、何も聞こえてこない。
城壁のすぐ向こう側が、喧騒あふれる首都とは思えぬ静かさだ。

プロンテラ首都、西門外。そこから僅かに南下したところに、
自分の所属するギルドの溜まり場があった。

いまは、自分一人しかいない。つい先ごろまで、
他のギルドメンバーで賑わっていた。

皆なかなか、その場を去ろうとはしなかったのだ。まるで何かを紛らわすように、
馬鹿話に花が咲いた。

それでもいつしか一人、また一人と去っていき、とうとう自分が最後に残された。
そして、冒頭に述べた静寂が訪れる。



この日、一人のギルドメンバーが、この世界を去った。



その引退式を終え、自分はギルドの溜まり場で独り座り込んでいた。
去っていった、炎の天使の名を冠する彼女との付き合いは、
もっとも長い部類に入る。

かつて自分は、ギルドのマスターを務めていた時代があった。
彼女はそこの、創立期のメンバーに当たる。
訳あってそのギルドを解体し、共に、いま所属しているギルドへと押しかけた。

手元に、彼女の名前が刻まれたスティレットがある。
この刻印が消えたとき、世界は彼女を忘れるのだ。

ああ──────

胸に去来する、三度目のあの感情。
今回は今までの比ではなく、その感情は強烈に胸を締め付けた。

ふと、視界に何かが入り込んだ。

胸の痛みから逃れるように、自分は立ち上がり、その場へと駆けた。
見えるはずの無いものが、見えたのだ。

溜まり場からすぐそこに、プロンテラ王国が管理している下水道がある。
低級モンスターがはびこり、駆け出しの冒険者の腕慣らしの場へとなっている。



そこに、いるはずの無い影を見た。



「あ……」

装飾用卵殻を被った、マーチャントの女の子。
ただそれは、自分の知っている娘とは、明らかに別人であった。

そして、唐突に理解した。

  この感情が、何なのか……。

   最初は、名も知らぬ騎士だった。

    次は、新たな楽しさを教えてくれた二人の女の子だった。

      そして、最初から共に在った戦友……。






















自分は……寂しかったのだと……。






Last Chapter そして去る者 残る者

神羅堂本社、四階、私室。社長室をも兼ねた、自分のプライベートルームだ。
製造に必要な宝石類や、趣味で集めているガラクタ、装飾品などが置かれている。

今年の夏、市場の規制緩和によって、神羅堂は飛躍的な成長を遂げた。
露店の上限価格が大きく上方修正され、高額商品が市場を飛び交った。
神羅堂は理想的な形でこれに乗った。いまや50M級の取引すら取り扱っている。

皮の手甲(レット)に手を通す。一年ぶりに袖を通すそれは、
久しぶりであることを感じさせぬように、しっくりと手にはまった。

頭には天使のヘアバンド、頭上中段には天使の羽耳を取り付ける。
まだ商売のみに専念していなかった一年前、これら二つは悪魔のそれだった。

そして、まるで儀礼的な扱いで壁に飾ってあった、大きな斧を取り外す。
この世界に降り立って、自分がもっとも多く振り回したであろう戦友だ。

これもまた、不思議と手に馴染んだ。
この手に抱くのは、一年ぶりだというのに。

コンコン

「社長―。そろそろプロンテラの官僚がこちらに……」
部屋の主の返答も待たず、来訪者が扉を開けた。

名は神藍(シェンラン)。ちょっとしたトラブルが縁で転がり込んだ、
フェイヨン皇族出自の娘だ。
つい先日、錬金術師の試験に受かった、アルケミストの卵でもある。

「社長?」
私の姿を見て、神藍は疑問の声を上げる。

「それって……」
右手に握られていた斧をみて、神藍はつぶやいた。
聖斧ライトエプシロン。聖なる力を宿す、破邪の斧。

「会食、お前とセフィアスに任せる」
「えっ、ちょっと!?」
セフィアスというのは神藍と同期の錬金術師だ。

こいつはどうやら錬金術よりも商才の方があるらしく、
いまは神羅堂の業務の大半を切り盛りさせている。

「しばらく戻らん。店はお前らに任せた」
「ちょ、ちょっと待って、社長……ってこら、神羅ぁぁぁぁ!?」








「さて……どこへ行ったものか……」

いざ飛び出してみたものの、特に明確な行き先があった訳ではなかった。
草原にカートを放り出し、その上に腰をかける。

出て行く間際に、セフィアスやら他の社員が何やら騒いでいたが、
まぁ店の方はセフィアスと神藍がいれば問題ない。あれでなかなか頼れる奴等だ。

口に草笛を咥え、思い切り吹き鳴らした。
ピーという音が、風に乗って草原を駆ける。
そのまま、世界の果てまで届くのではと、在りもしないことを考えた。

音は無理でも、自分は行ける。世界の果てだろうと、どこにでも……。

友が去ったあの日、『残された』と、かつての自分は思った。
しかし、いまはもう、思っていない。



『残された』のではない。『残った』のだ。



自らの意思と信念によって。

森羅万象、この世の万物すべてには、いつか必ず『終わり』は訪れる。
人と人との出会いと別れも、また然り。

神ならざる人の体である以上、別れを前提としない出会いは、無い。

あの四人のように、いつか自分にも、
この世界に別れを告げる時が、確実に来る。

有限の刻と有限の肉体。限られているのであれば、
せめて悔いなく歩いてみよう。

自分はまだまだ世界を知らない。
知らぬ土地、知らぬ魔物、知らぬ財宝、知らぬ冒険、知らぬ仲間……。

故郷に、やり残してきたこともある──────。



まだ、世界に別れは告げられない。



聖斧を担ぎ、カートを引っ張り、自分は草原を歩き出した。
当ては無い。目的地も特に無い。

しかし、その先には必ず在る筈のモノに向かって、自分は再び歩み始めた。





いつか必ず来るであろう、俺だけの──────

































             
    最終闘争(ラグナロク)に向かって



                          ~Fin~


                   
2007/06/02(土) 01:52 | コメント:1 |
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